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ティラノサウルスによろしく

ケツアニメしんちゃん

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ケツアニメしんちゃん

いまさら観た「嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」

いま劇場でやってる「逆襲のロボと—ちゃん」の脚本が中島かずきってことで是非観てみたいのだけど、私、クレヨンしんちゃんの映画って、第一作の「ハイグレ」と、高校のとき金曜ロードショウか何かで観た「大人帝国」くらいでして、ちょっとしんちゃんの映画がどのような感じなのか掴めていない状態なのよね。そして「ハイグレ」はもうガキも甚だしい頃に観たので、内容はあんまり覚えていなくって。なんか平均台の上で女の人が光線銃で撃たれてハイレグハイレグなくだりぐらいしか覚えていない。あとは「大人帝国」。これはもう超有名で。泣けるしんちゃんの代名詞と言うか。確かにいい映画だったと思うのだけど、実は「大人帝国」を観ている途中、当時付き合っていた女性の方と、電話で別れ話的な、ね。そんなわけでロクに映画とか観ていられる状況じゃなかったわけです。だから記憶も曖昧でして。高一の、九月ですか。十月に別れるんですけど。

あ、いまテレビで「ピンポン」始まったんで一旦離脱。

はい終わりました。圧倒的な良さ。そういえば「ロボとーちゃん」では一部シーンで絵コンテ描いてるみたいです、湯浅さん。つーか湯浅さんってずーっとしんちゃんに関わってる人だもんな。

話を戻して「戦国大合戦」。これも「大人帝国」に次いで有名だよね。前情報として、しんちゃんが死を経験するとか、正面向いて泣いてしまうとか、そういったある種のタブーを犯していてなおかつ成功しちゃってるとか、そんな情報は入ってる状態で鑑賞に臨んだのですが、まあ結論から言うとスゲー好きな感じでした。
しんちゃん自体、めちゃくちゃ久しぶりだったんで、もう笑っちゃって笑っちゃって。まずクレヨンしんちゃんって漫画が青年誌連載で、「大人向け」というか、大人になって観ても面白いよとかね、そのようなことををよく耳にするわけだけど。でも僕がこの映画でめちゃくちゃ笑ったのって、たぶん子ども向けのシーンでね、もうしんちゃんがケツだして動いてんのが面白いのなんのって。嘘だろ、こんな面白かったか、なんて。全体的に動きが面白いのよ。
内容の方は過去へのタイムトリップものなわけですけど、まずしんちゃんが過去にぶっ飛んで、それを追ってひろしとみさえがやって来きてね、で、みさえが殿様にカレーを振る舞ったり、ひろしが持って来たビールを家臣と飲んだりするシーン。あそこ、めちゃくちゃよかったね。小学校の頃、「はだしのゲン」とか読んでよくそういう妄想したよ、米ひと粒の行方ですったもんだしてるゲンやシンジの下にタイムトリップして、ハンバーガーなり寿司なり食わしてやりてえな、とか。そういう子どもっぽい善意とか偽善とか、そういうの、よく見せてくれたなーなんつって。
あとはやっぱり車。甲冑着たお侍さんがわんさかいる中で、馬に混じって車が走っている面白さ。特に最後の、文字通り大合戦のシーンで、ひろしがちょっとイッちゃってる目をして車で突っ込んで行くところなんか、やっぱりうおおおおって熱くなるし、それでいて馬と甲冑と弓矢と日本刀と車、この取り合わせが妙に可笑しかったりして、上手い具合に抜きの要素が入ってくるのなんかたまんないよ。この、車で突っ込んで行くシーンはもっと褒めるところがあって、まずBGMね。ああいう、ちょっと激しい感じのシーンに、今のアニメは単純なギターサウンド当てすぎなんだよ、馬鹿の一つ覚えみたいに。それがハマってりゃまだしも、スベってるアニメが多いこと多いこと。まあしんちゃんの絵柄でギターサウンドは誰でもハマらないことは解るんで、消去法でああいったBGMに落ち着いたのかもしれんが。
それから、あんなに激しく車を乗り回しても、人はひとりも轢かないってものいいね。轢いちゃったらヤバいもんね、ひろし。殺人者になっちゃうわけだから。でも、ひょんなことから非現実的な位置に置かれてしまったキャラが危機的状況に面したとき、後ろめたさすら感じていない様子で人を傷つけちゃうって描写も、多い気がするよ、いま。具体例がパッと出ないんで何とも言えないんだけど、そういった部分に違和感を結構感じていたことは確か。だから、しっかり人を轢かないひろしを観てね、おおー轢いてない轢いてないなんつって、ちょっと嬉しくなっちゃったりするわけです。
あと、これは映画の感想とはちょっとずれるんだけど、合戦シーンで感じたことがあったのでメモっときます。
あの、日本の戦って、すごく形式的じゃないですか。自分の名をしっかり名乗ったり、ホラ貝が鳴るまでは静止してたりとか、まあそういう要素の根底にはやっぱり「武士道」ってもんがあると思うのだけどね。だから闇討ちとかは言語道断なわけで。
映画でもそれはしっかり描写されていて、大声で、しかも大仰に、自分の名を名乗ったりとかするわけですよ。素敵ですよ、相手を殺すことが目的っていうか、相手を倒すことが目的になっているというか、そういった、言い方は悪いかもしれないけど、スポーツ的な殺し合いみたいな感じが。
で、その、特に大声で自分の名を名乗ったりするあたり、ああ、これが日本的な外連味の原点なのかなって、感じました。というか、たぶんそうだよね。ここが根底じゃなければどこが根底なんだって感じです。特撮とかで、「へ〜んしん!」なんつって大仰なポーズ決めて、その間敵は何もせず見守ってくれるとか。魔法少女アニメとか少年漫画原作アニメとかで、必殺技の名前を大声で叫びながらその技を決めたりする感じとか。まさに戦、殺し合いスポーツが源流になっていて、どうして今まで気付かなかったのかってくらい。

あのハードボイルドなしんちゃんが正面向いて泣いちゃったよ! みたいな驚きは、しんちゃんというアニメに全然詳しくないんで、衝撃ゼロ。しんちゃんが死に直面して成長しちゃう! みたいな危惧は、もはや一話ごとにリセットされるアニメとして受け入れているんで特に感じず。違和感無く良いラストシーンだと思ったが、正直死んじゃう必要あったかな、とは思う。あのまま大団円でもよかったんじゃねえかなーとは思うけど、わがままか。
とにかく、ケツが出て、ケツが動き回っているのを観てるだけで爆笑できる映画だったんでよかったです。

最後に。
いままでしんちゃんの映画を全然観てこなかったって、ある意味ラッキーかもしれない。これから名作の数々をまっさらな気持ちで目撃できるって意味で。
もう数作品観て、劇場に脚を運ぼうと思う。

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