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ティラノサウルスによろしく

イスラム教徒の同居人がラマダンに入り生活習慣合わずとても辛く、苦しく、部屋替えを希望したところ、替えた先の同居人がイスラム教徒だった件について

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イスラム教徒の同居人がラマダンに入り生活習慣合わずとても辛く、苦しく、部屋替えを希望したところ、替えた先の同居人がイスラム教徒だった件について


タイトルが長すぎて、逆に訳わからんって現象はあると思う。



昼夜を問わずにクーラーをがんがんに効かせてくるので、毎日が下痢だった。
深夜でも部屋の灯りは煌々と照り続け、スカイプで会話する声や香辛料のにおいが充満する。
日中は常にカーテンを締め切り、隣のベッドでは謙遜なイスラム教徒が低い鼾を立てている。
俺は病人になったんだ。
気が狂ってしまった。
怒鳴り声をあげる。
神を信じている人間がそんなに偉いのか。
宗教上の理由ならばなんでも許されるのか。
そういう思いが、宗教を、信仰を、人生を否定してしまいたい気持ちにさせる。
無信仰ながら、無信仰だから、無信仰による自爆テロを決起せんという、自暴自棄。
信じる神を持たない人間の聖戦とは如何に。
ただ生存権と領土権を主張したいがための、訴訟でした。
同じ金額払って、同じ部屋に住んでいるんだから、相手のことも少しは考慮しろっていう、苦情でした。
そういうことなのでした。


ともかく俺は追い詰められていて、苛立っていて、喧嘩腰で、もっとちゃんとした方がいいという思いもあったから、話し合って、協議して、それでも、すでに精神的に参っているので、相手の一挙一動一言にイライラして、それを必死に隠そうとして、いいんだ、まあ、ともかく、俺は部屋を出たのだ。

寮を管理する人に言って、でも俺はその管理人にもだいぶイラついていたので、またそれを上手に隠しながらも、新しい部屋を手配してもらって、そこに流れ着いた。

次の同居人は、エジプト人だった。


さて、エジプトとはアラビア語を母国語とし、ピラミッドとかナイル川とかが有名で、国土の90%は砂漠地帯であり、国民の90%がイスラム教徒である。
そして我が同室の君もご多分に漏れずイスラム教徒であった。


……


あ…ありのまま
今起こった事を話すぜ!

『同室が断食中で、夜中はずっと食事して昼は寝ているために生活習慣がまるで合わず、一週間まともに眠れていないので部屋を替えて欲しいと願い出たところ、与えられた新しい同室もイスラム教徒だった』

な…何を言っているのかわからねーと思うが
おれも何をされたのかわからなかった…

頭がどうにかなりそうだった…
催眠術だとか超スピードだとか
そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ

もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…



などという使い古されたコピペを、恥ずかしげもなく使ってしまうほどの我が心中はいかばかりなるか。

ラマダーン……

説明しよう。
ラマダンとはイスラム暦における第九月を指し、この時期の日の出から日の入りまで、イスラム教徒は断食を行うことが義務付けられている。
太陽が沈めばふつうに飲み食いしてもよく、昼間は別にやることがなければ、ずっと寝ててもいい、らしい。
少なくともパキスタン人のムスリムは、ラマダンに入ってから毎日、夜に起きて朝に寝る生活を繰り返し、太陽が沈んだら食事をし、深夜の二時ぐらいにまた食事をし、太陽が昇る前にこれまた食事をし、外の景色が白み小鳥がさえずり始める頃に布団に入る。
夜の間は、来客はあるわ、その来客と一緒に食事し始めるわ、音楽は流すわ、喋る声は大きいわで、マジで本当に、申し上げにくいながらも、率直に言わせてもらえば、そんな生活が三日目に突入するあたりから、ちょっとお前ら全部まとめて殺してやろうかと思ってたわ!



と、そのくらいに病んでいたんですね。
寝れないし、日に七八回はトイレにこもってしまうほどの酷い下痢が続くしで、ほとほと参ってしまっていたわけ。
それで部屋替えてもらって、ようやく安眠できると思っていたところで、新しい同居人がまたイスラム教徒なわけでしょ。
同じくラマダーンで断食中なわけでしょ。
びびったぜ、マジで。


しかしながら、奇跡は起こったのですよ。
奇跡は起こったっていうか、なんつーか、最高のハッピーエンドを迎えられたというか。


新しい同居人を管理人から紹介され、これはちょっと殺傷沙汰もおこりかねんなと、まだ見ぬ刑務所に想いを馳せていたところ、もうだいぶ禿げ散らかしている30過ぎの博士課程のエジプト人が、遠い目をしている俺にこう言うわけ。

安心しろよ。
俺は怠惰で異教徒を尊重しない礼儀知らずなムスリムと違い、謙遜的で求道的な礼儀を知ってるムスリムだって。


で、実際、エジプトの彼は超いい人でした。
夜中ご飯食べる必要がある時は、部屋から出て食事をするし、朝は早くから起きて勉強しているし、マジメだし、笑うとかわいいし、7年も中国いるから中国語も上手なわけ。


ちょっと汗臭いけれど、あなたってとっても素晴らしいわ。


ラマダーン中の断食とは本来、空腹を覚えても食事を摂らないという行為を通して、食物の大切さや、貧しい人々への同情心を思い出すためにやるのであって、夜中に大量に飲み食いして騒いで、日中は寝るような生活は、まるで意味を成していない。

日没を迎えてから、心底有り難いという感じに食事している、素晴らしき彼は俺にそう語って聞かせてくれるのだ。


俺は彼のおかげで、イスラム教に対して偏見や一方的な嫌悪感を持つことなく、帰国できることを心から感謝した。

いや、マジで、リスペクトで感謝感激っす。
本当に、ありがとうございました。


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