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ティラノサウルスによろしく

時間遡行入門

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時間遡行入門

時間遡行に説明書は用意されていない。
やり方は様々あるだろう。
何れにしても必要なのは、過去に対する執着ではなく、今に対する固執である。






書いたか忘れたから改めて、ブルーレイプレイヤーを買った。
これは昨年末のはなし。
しかし買ったのはいいものの、僕の部屋にあったテレビが旧式だったため、
HDMI端子がなく、結局そのまましばらく放っておいていたのだけど、
もういよいよ我慢出来なくなって、テレビと、それからBDソフトをいくつか買った。
とりあえず、『風立ちぬ』と『イコライザー』、
それから『電脳コイル』のBD-BOXと『キルラキル』を全巻揃えてしまった。
テレビ込みにして全部で10万くらい。石油王の買い物である。

最初に届いた『電脳コイル』を全話観た。
正直、昨年の今頃観直していたので、しばらくは本棚に仕舞って置き、
そこに『電脳コイル』が在るということの満足感だけで足りると思っていたのだけど、
せっかく買ったんだから画質のチェックくらいはしたくなるわけで。
つうのも、電脳コイルを観ていた当時、ゴリッゴリのアナログテレビだったため、
デジタルハイビジョン放送の恩恵をまったく受けられず、
剰え放送日の土曜はバイトが入っていることが多かったので、
抜けた話は違法アップロードまっすぐゴーなニコニコ動画だったかveohだったか、
とにかく高画質でこのアニメを観たことがなかったもんだから、
まあ一話だけ観てみようかなあって軽い気持ちで最初の一錠、
気付いたときには人間失格、モルヒネ中毒と森繁久彌ってちょっと似てないですか?
そんなこんなで金沢市から大黒市に引っ越してきたヤサコが、
まだ電車も降りないうちにヘッドホンをテレビにブッ挿して、
万全スタイルで全話完走したのでした。
再視聴から一年も経たない間での再々視聴となったけども、
同じところで笑い、感動し、そして同じところでここはイマイチだと思ったりした。
観終わった後の感想は、高校の時に抱いたものとまったく変わらない。
もちろん、視聴を重ねるごとに新たな発見はあるのだけど。
しかし、あのアニメを観ている時の感覚は、高校当時のそれと変わらなかった。
近頃、感覚が老けたと感じていた。
批評的な眼ばかりが、足枷にしかならない経験ばかりが、年相応に対して順応する心ばかりが大きく膨らんできている、などと。
しかし、違うのだ。根本的に誤っていた。
僕はかつて12歳であり、15歳であり、18歳であった。
そして今も尚、そうなのだ。そうあり続けることが可能なのだ。
僕はつまり、時間遡行の能力を身につけた。
しかし、過去に戻る気はない。戻りたくもない。
ゼロ地点を定め、それ以降の経験を捨てて行く。
そうして、限りなくゼロに近づいて行く。
過去に戻るのではない。過去が僕と結合するのである。
時は流れる。2015年の時は流れている。
しかし僕の内側では、渦巻いている。
過去と現在は交差し、溶け合い、境界を見失う。
僕は2015年との接点を保ちながら、同時に過去と結合し続ける。
そもそも、過去という概念がなくなる。
これは厳密に言えば、時間遡行ではない。
先にも書いたが、過去に戻るわけでないのだ。
強いて言うならば、過去が戻るのである。
僕はおかしなことを言っているのだろうか。
未来は僕らの手の中であるなら、過ぎ去った時間は僕らが手にして来たものであるはずなのだが。

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