便器とシャワーが同居する、あのなんとも言えぬ広さのバスルームで、煙草を吸っていたんだな、僕は。換気扇をつけて。
そんで、便器があるでしょう。洋式なんですけど。うちにも生意気に洋式の便器が存在しているんですよ。主に、糞尿を受け止めるための装置として。
それが、糞尿を垂れ流す以外の用途で、使っちゃったのがまずかったんだな。
そう僕は睨んでいるんです。
糞尿を垂れ流す以外の用途で使用されたために便器の尊厳は剥奪されたのだと高らかに誰かが叫んだのだはないか。
僕はそう睨んでいるんです。
煙草(今ＤＵＮＨＩＬＬというとても格好のいい煙草吸っている。これは同居人がくれたものである。放り投げずに手渡しでにこにこ微笑ながらくれたＤＵＮＨＩＬＬという煙草。その同居人は現在ロシアに旅行に行っている。のん気にやつである。にゃんぱすー☆)を、吸っていたんだ。ああ、もう、人生って世知辛い。
そうしてだね、煙草(ＤＵＮＨＩＬＬはイギリスの服屋ＤＵＮＨＩＬＬがつくっている煙草《ＤＵＮＨＩＬＬがＤＵＮＨＩＬＬをつくっているのです。混乱するかもわからない。だからもう一度言おう。ＤＵＮＨＩＬＬがＤＵＮＨＩＬＬをつくっているのです》らしい。有名なファッションブランドらしい)を吸っていたんだよ、だからねえ、そう言っているでしょう、煙草(そういえば先日、同窓生だったツトム君と偶然再会しまして『いやー全然変わらないなー。どうなの調子？』なんて言葉を交わしつつ夕暮れを迎え、西の空には鴉が二千羽飛び交い、すべての高層ビルは地上から切り離され、夕闇とはいったいなんだったのか、それは夜ではないのか、そういった議論に議論を呼ぶ円卓会議がエンテイスラで開かれ、張り切った自然美がいよいよ終焉に差し迫り、それに交わった孤独が海と太陽の間で頂点に達し、ここはどこだと叫んだ裏側は脳裏で、表を返せば、ツトムは外務省に勤めて早二年で、故郷のジャガイモをたくさん入れたみそ汁が恋しいと言った)を吸っていたの。どこで？　トイレで。
それがまあなんやかんやあって、いま僕はこの記事を書いているんですが、そのなんやかんやが、てんやわんやで、あ、せいのせいの、ど、よいしょよいしょ、あっそれ、いやっさっさ、はいや、わったしんか、へえし、でぃきらっさ、はいや、わしたわかむぬからざきあまざきたりどぅてぃぬーであしぶさあさ、はいや！