一昨日、北京の大気汚染が、観測を始めてから五十年で、最悪を記録したとかなんとか。
空には毒霧がかかり、ひと足外に飛び出せば、鼻の穴すぐさま真っ黒なその日、
私は居心地すこぶる悪く、酒を飲んでいた。例の、ダンス集団の連中と。
皆さんは知っているかどうか。居心地の悪い席での酒は、捗る。
針のむしろに居座る中で、酒を飲むという行為は、飲めば飲むほどに感覚を麻痺させ、逆にその鋭さを気持ちよくすら感じられてくるという、さながら針山地獄で見つけた鉄下駄である。
そりゃ履くよ。だって痛いの嫌だもん。
だから同じ要領で、飲んだわけなんですな、焼酎を、たくさん、二瓶ほど。
そして、そういう酒が促すのは、言わずもがな、悪酔い。
気が付けば、周囲の連中に罵詈雑言を浴びせるだけ浴びせて、帰宅。
やったー、あんだけ飲み食いして、無料だー。ただ酒だー。ただだー。ただだだだー。
お財布に優しいお酒の飲み方とは、こういうことなのである。
最近つくづく思うのだが、酒の飲み方が親父と似てきた。
酔っ払ったときの喋り方も、似てきた。
一子相伝の飲酒術、ここに極まり。
なんて、ろくなもんじゃないよね。
はい、わかっておりますとも、母上様。