昨日、まどマギの映画を観ていて、さやかちゃんの髪飾りがフォルテッシモ記号「ff」になっていることに初めて気付いた。たぶん、気付いているのは僕だけではない。絵を描く人はもちろん、かなり大勢の人が気付いていたのだと思う。しかし、それに気付いたときの僕は、『第一発見者』の気持ちでいられたのだった。

まだなににも目を通していないので分からないが、ネット上では多数のまどマギ考察文があがっているのだろうと思う。きっとその中には目を見張る考察もあるだろうし、新しい視点を与えてくれるものもあるだろう。そして、そのようなよく出来た考察を読み込んで次の観賞に臨んだり、自分の考えを補強したりする人も多くいるのだろう。僕も当初は、二三度観たらネットにあがっている考察を読むなりして、一度自分の考えを整理しなおした上で再び観賞しようかと思っていたのだが、ここにきて、考察を読むことを止しにした。

小説や映画は、読む人観る人を『第一発見者』にしてくれるものなのだ。本来は。
最初に書いたさやかの髪飾りにしても、人によっては「何をいまさら」と鼻で笑うような発見なのかもしれないが、少なくともそれに気付いた瞬間の僕は間違いなく『第一発見者』だった。実際には第数十万発見者だったとしても。
僕以上に隅々までスクリーンを見渡し、僕以上に瑞々しく深遠な考察をしている人は確実にいて、そういった人が書いた文章を読めば、たしかに新しい視点や新しい考えを持って鑑賞に臨めるのだろうが、それは同時に発見のよろこびを奪ってしまうだろう。
現に僕は、まだ４回程度なので当然と言えば当然かもしれないが、毎回あたらしい発見をして劇場をあとにしている。それでいてまだ、あたらしく何かを発見できるだろうという期待感もあり、その余地はほぼ確実に、そして充分に、残されているはずなのだ。

そんな感じで５回目、今夜２２時から行って参ります。