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ティラノサウルスによろしく

アニメを観ることはキモいのか

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アニメを観ることはキモいのか

2014年、晩春と初夏の狭間。



僕がいわゆるアニメと呼ばれるようなものを観始めたのは、中学二年くらいのときで、そのときはクラスの中でアニメを観ているということをおおっぴらにしている奴なんかいなかったように思う。いやいたのかもしれないが、僕のまわりには見当たらなかった。
それじゃあ、いまはどうなんだろうとよく思う。
2005年に公開され、同年テレビドラマ化もされた「電車男」のヒットを皮切りに、メディアが積極的にアニメや美少女などを中心とするオタク文化を取り上げ始め、世間の注目を集めていたということは、オタクの歴史などを扱う本やウェブサイトではよく言及されることであるが、当時中学生真っ只中だった僕から言わせてもらうと、「電車男」のヒットは寧ろ、アニメを観るということを余計に言い難くする空気を作ってしまっていたと思う。あの映画やドラマを観て、オタクに対する見解が反転する人間の方が、どう考えても少ないだろうしね。ただ「オタク」という気持ち悪い属性を持ったやつが絵に描いたような美女と恋愛するという構図の面白さだけを享受し、楽しんでいた人のほうが多かっただろうと思うよ。少なくとも僕の中学では、お疲れを意味する「乙」などのネット要語だけが多少流行した程度で、クラスの隅っこで固まっている「オタクっぽい」連中は、相変わらず冷たい視線の放射を浴びせられていたような気がする。そうなんだよね、彼らは彼らのコミュニティだけで完結しちゃっていて、あまり他とは接点を持たないもんだから、オタクっぽいってだけで、実際に何かのオタクかどうかもわからずじまいなんだよね。まあこれはどうでもいいはなしなんだけど。いやどうでもいいはなししかしてないわけだけど。しかしそれにツッコめば人類の歴史まで否定しかねないんだから止めろ。
とにかく、中学時代の僕はアニメを観ていると言うことをひた隠していた。仲の良い奴らにも。もちろん気の知れない奴らにも。自分の立場が危うくなるような気がしたからね。
それでも時代は変わるわけで。高校に入学してしばらく経ってから、高校二年くらいのとき、中学時代から仲が良くて、それまでアニメとは無縁だった、どころか、美少女が登場するアニメを観たりゲームをプレイしたりするような類の連中をキモいと嗤う側であったはずの友人が、急にハルヒマンセーになっていたのだった。いや、僕の目には急と映ったが、彼にしてみればしかるべき段階を経てのことだったのかもしれない。彼は中学時代から自分用のPCを操り回していたし、掲示板を通じてネットの友人などもいたようだったから、そういった連中からの影響などもあった可能性もある。それまで自分が避けて来たジャンルでも、親しい友人がそれにハマっていたり、それを勧めて来たりした場合、案外簡単に傾いたりすることも少なくないしね。そして彼は、「涼宮ハルヒの憂鬱」というアニメを、テレビ放送でも、DVDでもBDでもなく、ニコニコ動画で観ていた。
YouTubeのサービス開始が2005年か6年頃、ニコニコ動画は2006年の末だったと記憶しているのだけど、間違っていたらすまん。とにかく、僕が高校二年だった2007年には、パソコンを起動させてYouTubeなりニコニコなりで動画をたのしむということは当たりまえのことになっていたような感があった。もちろんこれは家にパソコンがある家庭に限られることだけども。
すべての原因が動画サイトにあるとは言わない。ことハルヒに関しては、メディアでもかなり取り上げられていたし、CMで生田斗真と共演していたこともあった。もっともCMに関しては2010年のことなのであまり関係はないが。ただ、動画サイトがアニメ視聴層の拡大に影響していたということは、否定できないだろうとは思う。もちろん動画サイト単体ではなく、他のメディアとの連携があってのことだけど。
ちなみに、ハルヒは僕の母親も知っている。普段そこまでPCをいじらない母親でも知っているのだから、やはりテレビなどでかなりプッシュされていたのだろう。母親は知っている止まりであるが、そこで興味を持って、或は話題沸騰などの文句に誘われて、実際に観てみる人も出てくるはずで、そういった人たちが手軽に動画サイトでアニメを観る。そこでハルヒが気に入れば、美少女が登場するアニメに対する抵抗もやや薄れるだろうし、もしかすると他のアニメにも手を伸ばしたりするかもしれない。なにせ、動画サイトは金かからないし気軽だし。僕が言いたいのはこういう玉突き的構図なのだけど、どうだろう。

ああ面倒くせえ。早いところ本題に入りたいのでいろいろすっ飛ばします。
まあ何が言いたいのかってぇと、昨今アニメブームなんて言われていて、実際僕のまわりでもアニメ視聴者は増えている感じがするのは確かなんだけど、それってマジ? たとえば今の中学生とかってみんなフランクにアニメの話とかするわけ? ってことです。で、実際に中学生と話す機会が本日ありましたので、その辺り訊いてみたってわけよ。なんかこれだけ書けばよかったし完全に前置きいらなかったな。流れて来た大きな桃の品種の解説をすごい頑張っちゃった感じというかこの比喩もかなり怪しいしうぜえし死ね! 平和! 素敵! ロックンロール! 愛とか!

三人の女子中学生と、一人の女子高生と話したんです。今日。中学生三人の内、二人は普段アニメを観ない側で、残り一人、それから女子高生の方はアニメを観る側となってます。ちなみにみんな良くも悪くもクソ生意気というか、スクールカーストだと比較的上位にいそうな感じの子たちね。

疲れ、そして眠気。というわけで。

<つづく>

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