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ティラノサウルスによろしく

近況報告~年の瀬の挨拶にかえて~

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近況報告~年の瀬の挨拶にかえて~

言葉があるし、言葉があることに安心もしているけれど、もう本当めいっぱい言葉は言葉でしかないね。そんなこんなで、近く、去る年。去るものは追わぬ、追いたくとも追えぬ、日々は光と陰の過客であるけでも、なんだい、うざってえ、時間がなんだ、年月がなんだ、すべてが地球が太陽をまわるだけの速度じゃないか、という思いなどなく、来年は羊年か、ジンギスカ~ン♪ などという食肉願望に、俺は支配されるべきか。いざ、北海道。



何から話すべきか。
対人民元のレートは下がり続けるばかりである。
1元=13円だった頃など、遥か遠くのおもひで。今彼奴は廿円に差し迫る勢いである。
つまるところ、生活が窮した。35万ほどだった学費が、48万になった。その差十三万。どれもこれもアベノミクスの所為か。円安政策はかくも市井の臣を虐げるのか。虐げてはおるまい。全部、俺が留学生のせい。
なのでアルバイトを始めた。場所は飲食店。自給は50元。飲食店のバイトの割りに、なかなかの高自給である。一般的には30元ぐらいであろうか。学がなくてもできると見做される仕事の給料なんて、そんなもんである。
このバイトは知人からの紹介で、日本式鍋料理屋のオープニングスタッフとして雇われた。店の名は『温野菜』。日本にも同じ名の食べ放題屋があるが、他人の空似である。らしいよ。
過ぎた12月20日に、オープンニングセレモニーなるものが催され、何社かの小さい雑誌社(いっぱい写真撮ってた)とか、なんとかネードとかいうアイドル(AKBの曲に合わせて踊ってた)とか、日本会社の代表(こちらの『温野菜』は日本の『温野菜』とは一切関係がないので、いったい何の代表なのかは知らない。ただ当店で取り扱っている有機野菜がどうのこうのと日本語で話す山下さんは、北京に来てもう七年、中国語はペラペラで、鍋料理屋は営んでいない)とかを呼んで、まあまあ盛大にやっていた。
俺はそれを見ながら、スティングという古いアメリカ映画の、競馬場のセットをつくるシーンを思い出していた。
まあ仕事は仕事だ。俺は皿を下げたり、ビールを運んだり、普通の定員として働くまでである。実際、仕事仲間も店長も、みんな気のいい連中なのだ。四時間労働で、まかないが二食もつくしな。そして俺の、バイトを始める際に店長に言われた、日本の本社から派遣された従業員という設定は、今や誰も気にしちゃいない。
どれもがみんな、楽しい悪ふざけだったのだ。

なんつーバイトの話しをして、それから何を話そうか。
期末テストは一段落がついた。
論文もまあ、まあまあの人心地。
テーマは「中日の改暦についての比較研究」だ。
ここのブログでも旧暦について、ちょくちょく言及していたので、そっから派生した興味を、そのまま卒論に待っていった感じである。
まあなかなか、面白いものができると思う。

それはさておき、最近、「小説家になろう」というサイトに、怖ろしいほどの時間を費やしている。
なんだろう、読んじゃったんだよ、めちゃくちゃ。
ここだけに飽き足らず、上記の18禁系サイト「ノクターン」まで手を出してしまったのだから大変、パチスロ中毒期に千円札をサンドに突っ込むように気持ちで、膨大な作品に大量の時間をインしちゃっている。
なんだったんだろう。夢のような感じだよ。ああ、もう、これ、あれだ。ただのジャンキーじゃねえか。
そんなに日本語の活字に飢えていたのか。
違うんだな。たぶん俺はファンタジーに飢えていたのかも知れない。
上のサイトに行って、読まれてる作品のランキングを見てもらえればわかると思うんだが、上位の作品のジャンルがまあ偏っている、片寄っている。
そのジャンルというのがまあ、ファンタジーなんだな。
ハリポッター以来、ろくに読んでいなかったファンタジー。
小学校の頃は、ローワンとか、デルトラとか、ネバーエンディングストーリーとか、けっこう読んでたからね、好きなんだろうね、かなり好きだったんだろうね。
そういうこともあって、上のサイトにはいっぱいのファンタジー作品があるんだな。
色々な素人が投稿するわけだから、もうなんか嘘だろ、かんべんしてくれよ、みてえな作品がまあ大多数を占めて然るべき結果なわけだけれども、しかし偶さにかなりツボな、ストライクに入るお話しもあるのであって、そういうの見つけちゃうと、次の作品はどうだろう、どうなんだろう、ってなるのね。俺の射幸心煽ってくるのね。
つまりこれ、物語ガチャなわけよ。
金色の面白い物語を引くまで、灰色の好きでもない物語を引き続けるわけよ。
ギャンブル性を見出しちゃったら、もうやめられないとまらない、突き抜けるところまで飽くなきスプラッシュ状態で、脳汁垂れ流して、ビバ洗脳! みたいなね。ううむ、まったく俺は、なんて不自由で愚かな奴隷なのであろうなあ! 己を囲う檻の性質などたかが知れているというのに、別のもっと窮屈な何かで囲わずにはいられないのだからなあ! 俺は寒さと飢えを凌ぐことばかり考えていた頃を思うよ。あの頃帰りたいなんて馬鹿みたいな妄想はさすがにしないけれども、どっちの生活がマシだったかってことを、気がつかない間に考えてしまうことがある。本当に苦しみなんて、過ぎ去ってしまえば一瞬で忘れてしまうものだよ! 俺はそのことをとても残念に思う。苦しみや後悔が自分に焼け付いたまま離れずに、目の前に道を照らし続けてくれたらって!



さて、僕はちょっと前、小説の応募を受け付けるこんな賞を見つけた。
あと三週間もないが、あと二週間ちょっともある。
電子メールでの応募を受け付けている点と、完結していない作品を求めている点が、なんとも甲斐性なしのやつらにうってつけだ。
とりあえずこれが、一月十五日までの目標。

アニメ絵となって動いてくれたら、
こんな幸せなことはないのになあ!

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