9月、そして10月へ
9月が終わった。久々に映画ばかり観ている月になった。
新作だと、ここにも書いた『イン・ザ・ヒーロー』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』『舞妓はレディ』の他、『TOKYO TRIBE』『ケープタウン』『フライトゲーム』『猿の惑星ライジング』などを観た。
10月はもう少し本でも読みたいなと思い、友人に借りていた佐々木中『アナレクタ4』を展く。
気になっていた高橋源一郎と佐々木中の対談を読む。
全体的に笑えて、同時に涙が出るほど感動的だった。
映画にせよ小説にせよ、わからないから悪い作品であるという考え方は、厳然として、ある。
わからない作品は好きだ。
それも、ただわからないだけでなく、すげーわかるんだけど全然わからない作品が好きなのだが、果たして人に理解してもらえるのかこれは。
たとえば映画だと、フェリーニの『8 1/2』や、宮崎駿の『風立ちぬ』なんかがまさにそうだ。
すげーわかるんだけど全然わからない。
対談の中で、小説の終わらせ方に関して話が及ぶ箇所がある。
『8 1/2』も『風立ちぬ』も、個人的には最高の終わらせ方だ。
スパークする。すげーわかるんだけど全然わからない感が。漲っている。
僕は、わからないから悪い作品であるという短絡的かつ自己中心的かつ自己陶酔的な奴等を、今後はっきり敵と見做すことにした。
僕は、長い間諦めていた。まあ、そういう考えの奴もいるわなと。
そうやって諦めていた方が、よっぽど楽だからである。恥ずかしくもある。
しかし、諦め続けていると本当に駄目になってしまいそうなのだ、自分が。
どんどんつまらなくなっていってしまう。
だから、僕はもう一度杏奈になって、奴等に対らを太っちょデブ呼ばわりしてやらなきゃ駄目だ。駄目になるから。
ちなみに、佐々木中と高橋源一郎の対談は、すげーわかるけど全然わかりませんでした。
ところで全然関係ないんですけど、萩原雪歩期に入りました。